色シリーズ2・色の心理的効果を把握してイメージを表現する

こんにちは。今回は「色の性格」についてレクチャー致します。色の好き嫌いは個人個人の主観的な感覚であり、配色や色そのものを見たときの感じ方や反応は人によって異なっています。

しかし、例えば「火を連想する赤は暖かいイメージで水を連想する青は冷たいイメージ」といった「寒い・暖かい色」「重い・軽い色」「興奮・沈静色」等の色の持つイメージは多くの人に共通する色のイメージ=色の性格だと言えます。

この共通のイメージには「赤は暖かい、青は冷たい、オレンジは元気で、緑は落ち着いた印象・・」という大雑把な配色理論よりも、前回ご紹介致しました色の3属性の方が深く関係しています。配色によってイメージを表現する場合この関係を明確に把握する必要があり、これらのイメージを組み合わせればどんなイメージも表現できると言えます。

色の3属性と心理的イメージの関係

色 心理

こちらの図を具体的に3属性別の性質に分けてご説明致します。

色相が現す性格

色は赤系と青系にはっきりとした性格があり、その他の色はどちらに近いかで性格の度合いが決まります。また、色の性格は固有色(モノに備わった固有の色)の性格、性質によって決まります。

暖かさを連想する色=「火、太陽を連想する赤」を中心とした色。

温度

冷たさを連想する色=「水や空を連想する青」を中心とした色。

温度

物体の多くは熱によって融解することから熱いものは多動的で冷たいものは静止しています。このことから

動き(熱)を連想する赤は興奮や軽さを感じさせる。

興奮

静止をを連想する青は沈黙や重さを感じさせます。

興奮

また、波長の長い赤は遠くからでもよく識別することができます。その為に実際よりも近くにあるように感じ、大きく見えます。波長の短い青はより遠くにあるように感じさせ小さく見えます。

距離

彩度が表す性質

彩度は色相から感じる特徴を強調します。同じ赤でも彩度が高いとより熱く派手に感じます。

沈静を表す場合は青を中心とした色相と相まって彩度を幅広く使います。

キョうじゃく

彩度が低いと軟らかく地味な感じ、強いと硬さを感じさせます。

硬軟

明度が表す性質

明度が高い状態は色相が薄いということで、すなわち軽さを感じさせます。

重量

この性質は色相と相まって甘さや楽しさといった具体的な表現に関わっていきます。

まとめ

以上を表にまとめました。

色の心理的効果三属性使い方
寒い・暖かい色相・「寒さ」は青を中心とした色相。
・「暖かさ」は赤を中心とした色相。
軽い・重い明度・明度が高いと「軽さ」を感じさせる。
・色相は「重い、軽い」といったイメージを広げ、明度がロマンチックさや淡さをいった具体的な表現に関係してくる。
興奮・沈静
派手・地味
色相
彩度
・「興奮や派手」といったイメージは赤を中心とする色相で、彩度の高い色を使う。
・「沈静」のイメージは緑から青を中心とした色相で、彩度は幅広く使う。
進出・後退
膨張・収縮
色相
明度
彩度
・「地味、派手」イメージは彩度が重要。
派手は彩度を高くし地味は低くして濁色を使う。
・「進出・膨張」イメージは暖色の色相か、背景よりも明度の高い色、高彩度の色を使う。
・後退は寒色の色相か、前景よりも明度や彩度の低い色を使う。

このように色のイメージは色相だけでなく彩度、明度によって大きく左右されます。

寒い冬を表現するなら青を中心とした色相を用い、雪が舞う軽やかさを出すなら明度を上げた青を使う。重々しい冬の寒さを表現するなら彩度を落とした青を使い、同じ一枚の絵の中の青も手前と奥なら同じ青でも手前は進出色である明度の高い青を使う・・・という風に色で複雑なイメージも思い通りに表現してみて下さい。