分かり易い進化生物学の入門書ジャレドダイヤモンド著書「若い読者のための第三のチンパンジー人間という動物の進化と未来」

こんにちは。AIの進化がめざましい今日この頃ですね。今世紀末には人間並みになる人工知能と共存していく時代に人間らしさや生きることや意識と知能といった抽象的な命題を解く大詰めへと突入したようです。
今後確実に人間並みから人間以上になっていく存在とどうやって人類は共存していくのでしょうか?
この壮大な命題を紐解くには人間の歴史を顧みると明らかになります。「戦争の歴史」と言っても過言ではない人類の歩みと少し視野を変えて家畜と人間といった「動物と人間」の関係と違い、そして農耕と戦争と自然破壊と文明崩壊の相関関係を顧みながら人工知能の登場を考えることは一体人類に何を付与し、そして何を意味するのか考えるのにうってつけです。さて、生きる意味を子孫に丸投げし続け、どうしようもなく滅んでいった古代文明の人類と私たちは同じ道を辿るのでしょうか?
そんな難しい問いの世紀に生きる私たちが避けて通れない進化生物学の入門書としてカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授ジャレドダイヤモンド著書「若い読者のための第三のチンパンジー人間という動物の進化と未来」を紹介します。この有名な図書はピュリッツァー賞、コスモス国際賞を受賞し朝日新聞ゼロ年代の50節第1位に選ばれた「銃、病原菌、鉄」や「文明崩壊」「人間の性はなぜ奇妙に変化したのか」で展開される重要な人類のテーマの要点を、中学生の方でもわかりやすいよう要約されて書かれた分かり易いオススメの一冊になっています。今回はこの入門書がいかにわかりやすくおすすめかを要約しご紹介できれば幸いです。

五部で構成されたシンプルな内容

第三のチンパンジーは、第一部ありふれた大型哺乳類、第2部奇妙なライフサイクル、第3部特別な人間らしさ、第4部世界の征服者、第5部ひと晩で振り出しに戻る進歩の五部で構成されています。

第一部ありふれた大型哺乳類

第一部の内容はごく普通の霊長類の一つに過ぎなかった人間がなぜここまで地球上で支配的な存在になりえたのかその進化のメカニズムのきっかけです。人類の歴史を24時間に置き替えると人類が人と呼べるような存在になったのはほんのたったの五分前に相当しその五分前というのが今から5万年前に起きた大躍進です。このきっかけは咽頭の発達だとダイアモンド氏は言及しており会話、口から発せられる言語でのコミュニケーションが人間にとっていかに重要かがわかる内容となっています。

第二部奇妙なライフサイクル

第二部では人間だけが持つ特殊な独自のライフサイクル。 老化と寿命と進化の関係人種によってなぜ肌の色が違うのかといった人間の謎について言及されています。
ここでは遺伝子を残すことに成功した個体は何が違ったのかという事柄や男女の性差の役割が生まれた必然性に触れられています。子孫を残すことに成功した個体、ひいては繁栄した民族は優秀だったから残せたのでしょうか

一般的な認識では紫外線の強い弱い土地だから肌が黒くなる白くなるといった人種間の違いは風土への適合(優秀な個体)という生存適合への競争の結果から導き出された優劣の結果となっています。一見合理的ですよね。しかし、実際の繁栄は本人の努力だとか生存適合といった優劣の差ではなく、極めて偶然的なものが決定し、選考は極めていびつなメカニズムによるものである。そして何があろうとも最終的には生まれた場所が全てを決めると述べています。そしてライフサイクルにおいて男性がいかに有利で女性がいかに不利かについて言及しています。驚くほど白い肌を持つ人や黄色い人や小さい大きいという人種間の驚くような違いはこの人のいびつなメカニズムに関連しており、決して優劣さの結果ではない。従って人種間に優劣は微塵も存在しないことがこの章を読めばわかります。

第3部特別な人間らしさ

第三部の内容は人間が人の創造性の所産と考えている芸術、言葉、農業といった営みが本当に人類独自のものなのかということ、そして薬物といういわゆる暗黒面(ジェノサイド)の存在と宇宙の文明です。

第一部で紹介された五万年前の大躍進以降の人類は自分たちには特別な創造性があり動物よりも優れているという偏見や高慢を募らせてきました。それらがいかに思いこみであるかを絵を描くチンパンジーを筆頭に動物もおしゃれをするし家を創るし歌を歌うし農業もおこなうことから解いています。
これを読めば薬物依存も動物的な本能の一種であることが理解できます。

第四部 世界の征服者

第四部の内容は第一部で大躍進を遂げて以来あっという間に地球上の支配的な存在となった人類がよりその生存地を広め、動物を家畜化し、植物を作り替え自然を自分たちに暮らしやすいように変えていった過程です。
なぜ移動手段が馬から車に変わったのか、家畜になった動物と家畜にならなかった動物の違いといった自然破壊と人類の躍進の関係性への初歩的な内容となっているので必然的に第五部と関連しメガファウナの絶滅にも繋がります。
この章は詳しくは「銃、病原菌、鉄」を読むとより理解できる章です。
人間の暗黒面を見直すことで戦争がなぜ起きたのか、ジェノサイドのルーツと薬物依存と進化の意外な関係について見解を改めることで人間らしさとはどこにあるのか思い込みを払拭するきっかけとなる章です。

第五部一晩で振り出しに戻る進歩

第五部の内容は世界中の遺跡から見られる発達した偉大な古代文明がなぜ現代社会と劣らぬほどの文明であったにも関わらず崩壊しそして人々がなぜ絶滅してしまったのかの原因を探っています。
なぜニュージーランドでモアは絶滅してしまったのか。
なぜイースター島の文明は崩壊し人間は絶滅したのでしょう。

これらは私たちの未来にも起こり得る可能性として示唆されています

第四部環境破壊と人類の繁栄についての関係性と照らし合わせればダイアモンド氏が冒頭に触れたように

いかに人類が何も学ばれることなく全てを忘れ去り同じことを繰り返しているか、その必然性と理由がここで明らかとなります。

以上でかんたんな紹介はひとまず終わります。分かり易いのでぜひ読んでみてください。

私たちは生きる意味を子孫に丸投げし続け、どうしようもなく滅んでいった古代文明の人類と同じ道を辿るのでしょうか?