フラットアイコンのチュートリアル/ラフからデザイン案決定の流れ

アイコンのチュートリアルです。
コンセプトから下描きまでを紹介します。
このサイト「ALICEMIX」のアイコン

どのように生まれたかを紹介していきます。

デザインを制作する流れ

ラフスケッチから決定案の取捨選択を一連の流れで紹介します。

1/デザインの意図を枠決めする

素材ではなく「サイトのオリジナルアイコン」を作ります。
オリジナルのアイコンで
1・サイトアイコン(企業ロゴやアイコンと同義)として方向性を明確にし
2・汎用性(使い回し可能度)は低くというか無い=ありそうで無い感じ
を出したいのと、来てくれた人にわかりやすく
「このサイトは他に無い意図をもってる/オリジナル
と認識してもらって信頼関係を深めることが目的です。

さて、ではデザインの意図を決めるに当たってまず数点ほどルールを設定する。
これはここからはみ出すとコンセプトとずれるよという最初の決まり事みたいなものだ。
このルールは最初から言語化して縛りを設けて作成してもよいしラフを描きながら自然と浮かび上がってくるもので決めてもよい。
ぱっとイメージが先に沸いてくる人はイメージをスケッチして言語化してを繰り返すと作りやすいだろう。
私は「こういうアイコンだと文脈が伝わるんじゃないかな、こうかな」とイメージをラフスケッチしながら発見する。
このようにラフスケッチを行ったら一通り言語化してまとめる。

ルール
1ベクターイラストの象徴に筆記具を使う
鉛筆やペンを具象的か抽象的に使って象徴にする。

2サイト名のアルファベットを入れる
アルファベットを使うと名前も覚えてもらえるし他と被らないので良い意味で個性も出しやすいので取り入れる。

3色は1色。白黒で理解できる。
カラフルだとペインターのようになるので単色(グラデーションや明暗の調子抜き)のみで理解できる構成にする。

フラットアイコンにする。
シンプルでベクターイラストと親和性の高いイメージにする。

フラットデザイン図作成のポイント

線を活かしたフラットデザインは単調になりがちなので以下の点に気を付ける。
・塗りつぶしたところをどこかに作る
・左右対称のデザインの場合どこかに破調をつくると動きが出る。

2/方向性の再確認と決定

ルールをふまえて方向性を決定します。
大体デザインが決まってきた頃合いには必ず複数のパターンが生まれます。

この複数のパターンを前にしてデザイナーは取捨選択に迫られますが
ゲシュタルト崩壊も必ず起こっている長時間におよぶ作業の中でしばしば自分を見失いがちです。
しかしこの段階を乗り越えて見えないものを見るのは制作者ただ一人だけです。
この段階では全体像が見えないので第三者に相談しても力にはならないでしょう。
この段階での決定は苦しくとも自分の力で乗り越える事が大切です。
また、どうしても決められないことも多いけれど方向性さえ決定できていればのちのちになって必ず取捨選択ができます。
ですのでここで方向性を再確認して決定案を取捨選択します

方向性
アルファベットを活かしつつ図として筆記具を連想させる平面的なデザイン。
筆記具は漫画的でなく表現+サイト名のアルファベットを複数使用した
・一般的で汎用性と抽象性は低い
=ありそうでない感じ。ぱっとみてああこういうのかとわかりやすいけど言われてみると他に無いというニュアンス
どんな意味合いにもとれない/他のコンセプトで使い回せないものにする。
・メッセージが明確なデザイン。

具体的なOK例
JRのロゴ

以上がデザイン制作の一連の流れになります。

製作チュートリアル

前章の「デザインを制作する流れ」は製作の進め方の説明でした。
それではここからは実際にどういう風に制作作業を進めたかのチュートリアルに入ります。

アイコン作成に使っているのはRollbarnの小さいサイズのメモ張を愛用している。
この大きさの紙なら紙面いっぱいにアイデアを描いてちょうどいい大きさになる。
このサイズは持ち運びに便利で使いやすく描きやすくかわいいのにストックが苦にならない。

鉛筆は三菱鉛筆を愛用しているが
これは近所の文房具屋さんでバラ売りしているのを試してから購入したほうがいいだろう。
なぜなら「HBなら描きやすい」というものはない。
いきなり何本もセットなっているものを買うよりも
それぞれの筆圧に合った硬さを試してから購入したほうがいいぞ。

シャーペンはクルトガの0.3mmを愛用している。
芯も折れないしケースに入れずにメモ張に刺してそのまま持ち運んでも壊れない。

シャーペンについてはこちらのおすすめのシャーペン記事を参考にされたし。

1ラフ

まずはメモ張などに適当にアイデアを出していきます。
筆記具とサイトのアルファベットをどのように組み合わせるかを考えていきます。
1枚目のラフ。
早い段階で筆記具とアルファベットのAと方向性を持った三角形(手引き/指南書といったニュアンス)をメインにすることが決まりました。
2枚目。
筆記具はコンパスとAを組み合わせようともしてみたけどこれは無理やりすぎてボツ。

3枚目以降
大体全貌が見えてきたのでここから立体作成も兼ねていきます。

大体固まったのでシステムを決めます。
透視図とキャビネット法の取捨選択。左のキャビネット法にした。

2ラフと立体作成を繰り返します

大体イメージもできたので立体作成も兼ねて作成してきます。
展開図から作成したりこの位適当で良い。
使っている紙は厚紙でもいいしコピー紙や方眼紙の切れ端でも良いが、折り込んで形を作る場合は薄い紙の方が良い。
その後に厚紙で作り直すときれいにはなります。

AMX面構成の立体
面白いが面が強調されて立体的

AMX線構成の立体
平面的になった。

この作成で土台の部分との交わりで鉛筆の持ちての部分とXが作れることを発見したのでデザインを少し変更することにした。

3デザインの決定

以上のことからAMXの線構成でデザインを進めることにした。
・アルファベットで構成された鉛筆のプロポーションは黄金三角形を使う。
・図を作成するのでシステムは透視法でなくラバット法を使う。
・全体を構成するプロポーションには黄金四角形を適用する。

これをふまえてconceptsを使ってillustratorに移動するまえの作図段階に入ります。